涼しくなり、少しセンチメンタルな気分になるこの季節。
しっとりしたメロディや、心に染み入る旋律に寄り添ってもらうのはいかがでしょうか。
この記事では、秋にぴったりのピアノで弾けるクラシックの名曲10選をお届けします。
ショパン:ノクターン 第13番 ハ短調 Op.48-1
静かな夜の空気に溶け込むような、深い哀愁を帯びた一曲。
ゆっくりと始まり、感情が高ぶる部分はまるで秋の夜を物語るかのようにドラマチックです。
チャイコフスキー:四季 Op. 37a 10月 秋の歌
チャイコフスキーの「四季」は、1月から12月まで、それぞれの月に対応した曲があります。
10月の「秋の歌」は哀愁に満ちたメロディが特徴的で、秋の深まりとともに感じられる孤独や物悲しさを表現しています。
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
ラヴェルの代表作のひとつであるこの曲は、「亡き王女の…」というタイトルですが、追悼のための曲ではなく、「昔、スペインの宮廷で小さな王女が踊ったようなパヴァーヌ(舞踏)」という意味だそうです。
ノスタルジックな雰囲気が秋にぴったりの曲です。
リスト:コンソレーション 第3番 変二長調
リストの曲というと「超絶技巧」のイメージですが、日本語で『慰め』とも訳されるこの曲は、超上級者ではなくても取り組みやすい曲です。
ただ、メロディを引き立たせるように美しく弾こうと思えば、それなりに難しさがあります。
本格的な冬が始まろうとする直前の空気を感じるような、悲しく、美しい曲です。
スメタナ:モルダウ 連作交響詩「わが祖国」より
日本のみならず、世界中で人気のモルダウも秋にぴったりの一曲。
もともとオーケストラの曲ですが、ピアノ1台、もしくは2台による演奏もよくされる曲です。
ちなみに、ピアノ連弾のモルダウを”聴く”なら以下の演奏がおすすめです!
モルダウのピアノ編曲はいろんなバージョンが存在していて、以下に紹介するのは一例ですが、上の音源とは別物になります。
ブラームス:6つの小品 Op.118-2 間奏曲
ブラームスの「6つの小品」は、彼が生涯にわたって思いを寄せた女性、クララ・シューマンに献呈された曲です。
このときクララはすでに74歳。
温かさと寂しさが交錯するような美しいメロディが、秋の夕暮れにぴったりな曲です。
ショパン:ワルツ 第10番 ロ短調 Op.69
このワルツは、ショパン特有の優雅さに加えて哀愁を感じさせる作品。
ロ短調の音楽は少し物寂しく、秋の柔らかい夕暮れや静かなひとときを彩る一曲です。
ブラームス:交響曲第3番 第3楽章 Op.90
オーケストラ曲でありながら、ピアノソロで演奏されることも多い作品です。
穏やかなテンポとメランコリックな旋律が 秋の静寂や深い感傷を思わせ、聴いた後に深い余韻を残す名作です。
ラフマニノフ:14の歌 ヴォカリーズ Op.34-14
「14の歌」というからには、もともと歌曲として作曲された作品です。
バイオリンとピアノ、チェロとピアノなど様々な楽器編成での編曲・演奏も多いですが、ピアノソロもまた素敵です。
どこかもの悲しい雰囲気が、秋にぴったりな曲です。
ショパン:マズルカ 第47番 イ短調 Op.68-2
ショパンが17歳のときの作品。
もともとショパンはこの曲を出版する気はなかったようですが、ショパンが亡くなった後、友人たちが出版したもので、遺作となっています。
ショパンの曲は、どこかもの悲しさが漂うような曲が多いですが、17歳の時点ですでにその雰囲気を持っているというのは興味深いですね。
まとめ
秋にぴったりのクラシックピアノ曲を10曲ご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
哀愁漂う旋律や穏やかな響きが、秋の空気感を感じさせ、リラックスしたい時や感傷的な気分にぴったりです。
聴いて楽しむのはもちろん、ピアノを弾く方なら、この季節にふさわしいレパートリーとして演奏してみるのもおすすめです。
今年の秋は、これらのピアノ曲とともに、心豊かなひとときを過ごしてみませんか?