クラシック音楽を楽しむには、当然のことながら、いろんな曲をたくさん聴いてみることが一番。
それと同時に、その歴史や背景を知ると、音楽を聴くのも何倍も楽しくなります。
例えば、
ハイドンは白髪(はくはつ)の横ロールなのに、ベートーヴェンの髪はもじゃもじゃのボサボサ!
だからハイドンの交響曲は100曲以上もあるのに、ベートーヴェンは9曲だけなんだ!
一見関係なさそうな両者の髪型と作曲数。実は深い関係があったりします。
この記事では、クラシック初心者でもわかりやすい、クラシック音楽の歴史や名曲の背景を取り上げたおすすめの本を紹介していきます。
初心者におすすめしたい本 5選
① クラシック作曲家列伝 バッハからラヴェルまで12人の天才たちの愉快な素顔
えっ、こんな人だったの! ?
やまみちゆかが描く、作曲家「その人」に注目した、楽しくて陽気な音楽史案内。
漫画 & イラスト & テキストで、教科書には載っていない天才たちのちょっぴり不器用な人生に迫ります。
頑固者すぎて剣による決闘にまで至ったバッハや「妄想ストーカー作曲家」とも言えるベルリオーズをはじめ、ショパン & リストの微笑ましい友情からブラームス VS ワーグナーの音楽的対立までバロック時代~近現代の12 名を収録。
知っているようで知らなかった等身大の人物像が色濃く浮かび上がります。(Amazon商品ページより引用)
SNSでも人気の音楽イラストレーター、やまみちゆか氏(@yamamichipiano)による著書。
音楽イラストレーターというだけあって、絵がとにかくかわいい!
著者本人も国際ピアノコンクールで入賞するほどの腕前の持ち主とのことで、ゆるいタッチで描く漫画はクラシック作曲家たちへの愛にあふれていて、くすっと笑える作曲家たちの等身大の姿をみせてくれます。
監修の音楽ジャーナリスト 飯尾 洋一氏は、テレビ朝日「題名のない音楽会」音楽アドバイザーなども務める方だそうです。
② イラストでわかる! クラシックの楽しみ方
クラシック音楽を、教養として知っておきたいという気持ちはあっても、いざ聴いてみても「長い」「わからない」と挫折してしまった人は多いかもしれません。
確かにクラシック音楽はポップやロックといった音楽にくらべ、楽しむためには少しの知識が必要かもしれません。
本書では、「クラシックとは何か?」から始まり、曲の聴き方、作曲家と彼らが生きた時代までを100点以上のイラストを用いて楽しく解説します。
難しい解説は一切なく豊富なイラストを眺めているうちに、自然とクラシック音楽の基本がわかり、難解に思っていた曲もいつのまにか楽しく聴こえてくることでしょう。(Amazon商品ページより引用)
表紙の第一印象で漫画っぽい内容の本にも見えますが、漫画での説明はなく、適宜イラストや図が用いられている、とてもわかりやすい本です。
各作曲家の生涯についてはサラッと取り上げる程度で、クラシック音楽そのものやその歴史の部分にスポットライトが当てられている印象。
「この本を読めばクラシックの概要がわかる!」といえるような、クラシック初心者が初めに読む本として、とてもおすすめの本です。
③ 心が育つ だれなに?クラシック(全26シリーズ)
※この作品は活字の本ではなく | オーディオブックです。
『このシリーズでは、有名なクラシック音楽の作曲家たちが、いったいどんな人だったのか?
どんな世の中で暮らしていたのか?そしてどのように名曲が生まれたのか?
そんな背景をわかりやすく解説しながらクラシック音源と共に紹介していきます。』(Amazon商品ページより引用)
こちらは活字の本ではなく“聴く読書”と言われるオーディオブックなので、本が読む時間がない、活字を読むのが苦手、という方にもおすすめです。
作曲家をひとりずつ取り上げていて、総勢25人、全26作品あります。
ラジオのような語り口で聴きやすいのと、話しに沿った曲も流してくれるので、各1時間ほどの作品ですが飽きずに楽しく聴くことができます。
本来は小学生を対象にしている作品ですが、子どもからお年寄りまでどの年代でも楽しめる、わかりやすくて充実した内容になっています。
「だれなに?クラシック」で取り上げている作曲家は以下の通りです。
それぞれ会員登録前でも5分間のサンプルが聴けます。
- ヴィヴァルディ
- バッハ
- ヘンデル
- ハイドン
- モーツァルト①
- モーツァルト②
- ベートーヴェン①
- ベートーヴェン②
- シューベルト
- メンデルスゾーン
- ショパン
- シューマン
- リスト
- シュトラウスⅡ世
- ブラームス
- グリーグ
- チャイコフスキー
- ドヴォルザーク
- マーラー
- ドビュッシー
- リヒャルト・シュトラウス
- シベリウス
- グラナドスとファリャ
- バルトーク
- ラヴェル
- ラフマニノフ
④ 歴代作曲家ギャラ比べ ビジネスでたどる西洋音楽史
『「作曲というビジネス」をテーマに、クラシック音楽史に名を残す作曲家41人の生業について、対照的な2人を比較する形で解説。当時の貨幣価値での収入比較を中心に、各人を取り巻く時代の変化、それぞれの人生、代表作品にも触れています。各種通貨は、現代の日本円に換算しているため、頭の中でイメージがしやすいこと間違いなし!』(Amazon商品ページより引用)
有名な作曲家たちに“お金”の視点で迫る一冊。
どのようにお金を稼げるかは、作曲家の性格や時代背景、当時その作曲家がどのように評価されていたかにもよるので、ギャラ以外の話も豊富です。
当時のギャラを現在の価値に換算、さらにそれを2019年時点の日本円に換算しているので、よりイメージしやすいのがユニークポイントです。
⑤ ゼロから分かる! 図解クラシック音楽
クラシック音楽の基本、オーケストラ(楽器)の基本が図解で分かる決定版。
オーボエ奏者で指揮者でもあった宮本文昭氏(東京音大教授。ヴァイオリニスト宮本笑里氏の父)が監修。
知識的なことだけでなく、どんな時にどんな曲を聴いたらメンタルによいか、シーン別にどんな曲がオススメか、を心理学者・富田隆氏がアドバイス。(Amazon商品ページより引用)
初心者でもわかりやすい内容で、浅く広く、豊富な切り口で、クラシック音楽を全体的に取り上げています。
作曲家たちのユニークな側面も見せながらその生涯について、また曲の種類やオーケストラの歴史、心理学者の富田隆氏監修のもとに選ばれた、シーン別おすすめの曲の紹介も。
ほとんどがカラーのページで絵も可愛く、登録なしで30秒の曲の試聴ができるQRコード付きです。
あとがき
ネットで検索すれば、なんでも無料で知ることができる時代。
そんな時代でも本を読むメリットは、知ろうと手を伸ばした以上に、たくさんの知識を与えてくれることです。
ネットやSNSだと、たくさんの情報を盛り込めず、小出しになりがちなので、自分で情報のカケラを集めていかないといけなかったり、少しずつ見ているうちにモチベーションが下がってしまったり。
その点、必要な知識が1冊の本になっていると、情報を集めに行く労力が省けます。
また、「自分は興味がない」と思っていた分野も目にすることになり、意外な発見があったり、新しい「好き」に出会えたり。
きっとここまで読んでくださっている方は、本当にクラシックについて学びたい、という意欲がある方だと思いますので、ぜひ、お気に入りの一冊を見つけて読んでみてください。
「クラシックを聴く」ことが、今までよりもっと好きになりますよ♪