クラシック専用のアプリであるApple Music Classical。
それまでのアプリとは大きく違い、クラシックに特化したUI(ユーザーインターフェース)であることが最大の特徴です。
とはいえ、実際のところどう違うの?と思うユーザーも多いはず。
ということでこの記事では、クラシック好きの筆者が、Apple Music Classicalアプリが登場して以来使い倒して分かった2つのアプリの違いを徹底解説いたします!
違い① 曲名の表示が見やすい
まず、Apple Music Classicalを使ってみて最初に感じるのが、曲名の表示が見やすいこと。
Apple Music Classicalは、いくつかの楽章でなる作品なら一つにまとめてくれているので、パッと見で見やすくなっています。
・プレイリスト・
「初めてのルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン」
Apple Music Classical
Apple Music
ただApple Musicの方も、アルバムによっては、作品ごとに記載してくれているものもあります。アルバムによるので、まちまちです。
あと、Apple Music Classicalの方が日本語表記になっています。
(このおかげで「英雄」や「運命」などの俗称でも検索できるようになっています)
・アルバム・
「Alice Sara Ott plays Debussy, Satie & Liszt」アリス=紗良・オット
Apple Music Classical
Apple Music
ただ作品情報が多いと、Apple Musicの方は情報が入りきらず、下のように見切れてしまうことがあります。
・アルバム・
「Four Hands」アレクサンドル・タロー
Apple Music Classical
Apple Music
違い② 曲名から他のレコーディングに飛べる
上に貼ったスクショから分かるように、Apple Music Classicalの場合、曲名をタップできるようになっていて、すぐに「同じ曲の他のレコーディング」にアクセスできるようなUIになっています。
違い③ ライブラリ機能が充実している
Apple Music ClassicalとApple Musicでは、ライブラリの機能も大きく違います。
まず、下の画像がそれぞれのライブラリのスクショ。
Apple Music Classical
Apple Music
一見するとApple Musicのほうが充実しているように見えますが、Apple Music Classicalは、クラシックに特化したライブラリになっています。
例えばApple Music Classicalなら、下のスクショのように、ラヴェルの≪鏡≫の1~5をひとつのレコーディングとしてライブラリに入れることもできますし、そのうちの一曲だけ入れることもできます。
「作品」をライブラリに入れることもでき、いろんなレコーディングを聴いてみるのに便利です。
作品名の横の数字はレコーディングの数
「作曲者」の項目はApple Musicにもありますが、Apple Musicの方は≪ライブラリに入れた曲のうち、該当の作曲者で絞る≫という仕様になっているのに対し、Apple Music Classicalのほうは、≪作曲者のページに飛ぶ≫ような仕様になっています。
Apple Music Classical
Apple Music
Apple Music Classicalはライブラリから作曲者のコンテンツに移動ことができる
違い④ 読み物がある
Apple Music Classicalでは様々な読み物もあります。
例えば以下のようなものです。
- 作曲者やアーティストのバイオグラフィー
- 作品の解説
- 楽器の解説
- アルバムのライナーノーツ
- アルバムのブックレット New!
上記の内、作曲者やアーティストのバイオグラフィーはApple Musicでも読めます。
また、アルバムのライナーノーツも、Apple Musicで読めるものもあります。(ないものも有り)
ただ、作品解説や楽器の解説は、Apple Music Classicalのみでしか読めないようです。
作品解説
楽器の解説
さらに、2024年9月24日より、アルバムブックレットの提供が開始されました。Apple Music Classicalだけのサービスです。
アルバムブックレットとは、CDを買ったときに入っているあれです。
Apple Music Classicalのアプリで
のマークをタップすると、PDFが開くようになっています。ただし、欧文版ブックレットのため、日本語では読めないのが難点。
アルバムジャケット上の をタップするとPDFが開く
違い⑤ 検索機能がすごい
カタログから曲を探せる
【見つける】のセクションでは、カタログから曲を探したり、いろんなジャンルのプレイリストを聴いたり、楽器別に曲を探すことができます。
・カタログの一例・
特定の項目からさらに検索ができる
Apple Musicでも、Apple Music Classicalと同じように特定の項目が用意されています。
例えば、アーティストのページ。
ただ、Apple Music Classicalなら、上に検索窓があり、例えば「モーツァルト」と入力すれば、≪そのアーティストのモーツァルトの楽曲が収録されているアルバムだけ≫を表示することができます。
Apple Musicの場合は、ただアルバムが羅列されているだけなので、ひたすらスクロールしていく必要があります。
・エマニュエル・パユのアルバム一覧の表示の違い・
Apple Music Classical
Apple Music
特定の項目内で並べ替えやフィルタをかけられる
例えば、「ベートーヴェン」の項目を見た場合。
Apple Musicは、下のようにアルバムに収録されたベートーヴェンの曲がざっと表示されるだけです。同じ曲がいくつもかぶっています。
対してApple Music Classicalの方は「作品一覧」として表示し、そこからレコーディングへつながるようになっています。
作品一覧は、デフォルトは人気順に並んでいますが、「作品名」「作品番号」「キー(調性)」の順番で並べ替えることも可能です。
【この項目でフィルタ】を使えば、室内楽、管弦楽などに絞り込むことができます。
つまり、「ベートーヴェンの室内楽の作品のみ表示させる」等ができます。
他の例として、【楽器】の作品一覧を時代で絞り込むこともできるので、例えば「チェロの作品のうちロマン派のものだけ表示させる」ということが可能です。
カタログから楽器→作品一覧で表示させると、以下のようなフィルタリングができる
左の【チェロの作品一覧】に「ロマン派」でフィルタをかけると右のような表示になる
Apple Music Classicalの最大の弱点
Apple Music Classicalの最大のデメリットは、オフライン再生(ダウンロード)ができないこと。
解決策としては、Apple Musicの方でダウンロードすることです。
2つのアプリは連携しているので、Apple Music Classicalでライブラリに入れればApple Musicの方でもライブラリに入ります。
もしくは、Apple Music Classicalで再生させておくと、Apple Musicの方の【最近の再生】にあがってくるのでこちらも簡単です。
まとめ
この記事では、Apple Music ClassicalとApple Musicの違いについて解説しました。
Apple Music Classicalは、クラシック初心者からクラシックマニアまで、便利な機能が満載のアプリです。
まだ試したことのない方は、ぜひ一度お試しください!